オートバイの人

仕事は車で移動している。

 

こちらは移動するための手段として運転しているので、目的地に早くつくことが肝心。

でもそうではない人たちも大勢いるため、時々イラッとする。

前の車との距離が空き過ぎているのは、本当にイラッとする。

どうせなら譲ってもらえないか、と。

 

ただ、毎度そうではなく、のんびり運転したいときもある。

そんな時は、後の車に気を遣ったりする。

先日オートバイが後ろを走っていた。

前に車がいるわけではなかったけど、譲れるような広い道ではなかった。

でも、このまま後についてもらっても、速く走りたくないな、と思っていた。

だから、センター寄りを走り、左側を開けてみた。

二輪車は左側で抜かしてくれることもあるから。

 

信号機が赤だったから止まったら、案の定左から追い抜いてくれた。

やれやれ、と思っていたら、オートバイの運転手が、若干後ろを向いて右手を軽く上げた。

もしかして、気づいてくれたのか?と思った。

いや、バックミラーで何かを見て、ハンドルから手を離して、ブラブラさせただけなのかもしれない、とも思った。

 

やがて信号は青に変わり、彼は先に走り去っていった。

彼がどう思ったのかは知らないけど、いいことしたな、って思った。

いいことして良かった、とも。

明日はいいことがあると良いな。